俺TUEEEEの問題点、それはトイレットペーパーに収束する
ファンタジーやSFなど、様々なジャンルで使われる俺TUEEEE。一見、無関係に思える恋愛ジャンルにおいても散見されるように思う。
俺TUEEEEは世界観とストーリー展開をテンポよく進めるための有効な手段である。
例えば平和な世界ではないファンタジー世界において、弱者は弱者な時点で物語のテンポを鈍化させる。
自分より強い敵が現れるたびに、敗れ挫折し、修行に時間を費やすからだ。
バトル物に強敵や修行は付き物であって、決して不必要な部分ではない。
しかし、それは強敵に打ち勝つという見せ場の付属物に近い。
努力が勝利に結びついたという裏付けになっているのだ。
また、最強の主人公がいたとしても、大体は修行をする。
弱者の場合はどれだけの話数修行パートに使うのだろうか。
もちろん弱者が主人公の物語も存在するが、大部分がカットされる。
なぜなら面白くみせるのが難しいからだ。
弱者は数話で強者となり、弱者だったという設定に成り下がる。
俺TUEEEEは最初から強者で最強だ。
効率的で潔い。
ストーリー展開的にも俺TUEEEE。
※俺TUEEEE
俺TUEEEEとは所謂主人公が最強すぎて、どんな敵でも百戦百勝のことである。
古くはライトノベル。
近年では小説家になろうを筆頭とした投稿サイトで多く見られる。
主人公が強い主にバトル小説は古今東西にあるが、特に際立って強いものを指す。
個人的には恋愛ジャンルにおける、気持ち悪いほどにモテる男女も広義ではそうなるのではないかと思っている。
♯最大の問題点
ワンパターンである。
主人公が最強なのだから、当然負ける相手がいない。プロローグもやっつけ感が否めない。ラスボスも多少苦戦する描写を挟んで、倒さないはずがない。
とりあえず冒険を進めているというパターンに尽きる。
よくあるプロローグの設定の一つ。
自分の住んでいた場所に突如魔物が襲来し、親族が軒並み殺害される。そして、主人公はその復讐に燃える。そんな感じだ。
しかし、俺TUEEEEである以上なぜお前は最初からそれを使わない。
そんな強さを主人公は持っている。
率直に言うと能力が強い。
成長してない。まだ使い慣れていない。主人公の精神がまだ弱い。そんな理由付けもあるだろう。
しかし、後半の最強さはもはや矛盾といえるほどである。
亜種として前述のような酷い目あった後、幸運にも強くなる機会に恵まれることがある。
結局のところ俺TUEEEEのプロローグは、能力に気づかないかその後恵まれるかの二パターンに尽きる。
やはりやっつけになってしまう。
また、バトル物といえば敵キャラも魅力的な存在がいる。
俺TUEEEEではそういった敵キャラを表現するのが難しい。
敵遭遇→撃破のサイクルが非常に短い。
そういったところでメリハリがないため、ワンパターンになりがち。
♯主人公に魅力がない
主人公が最強であるため、他が後付けである。主に性格の面。
つまり、強きをくじき弱きを助けるだ。
典型的な勇者気質はやはりワンパターンで、心が入ってない。
孤独や復讐、変態性など主人公に面白い要素を盛り込もうとすると、なんだか白々しく見えてしまう。違和感に苛まれることになる。
♯俺TUEEEEはシステム
俺TUEEEEは魅力ではない。最初に言った通り、世界観やストーリー展開をスムーズに進める手段に過ぎない。
そこを誤解しやすいことは問題だ。
ジレンマ、誤謬である。
いや、俺TUEEEEは錯覚なのかもしれない。
ファンタジーやSFであれば、バトルは面白い場面だが、俺TUEEEEはそうではない。
どんな物語にもヒロインが登場する。
典型的な遭遇としては、ヒロインのピンチを助けることがある。
ヒロインは主人公の何に惹かれたのか。
強さ? いや……
俺TUEEEEを中心に考えると、頭がおかしくなる。もはや哲学だ。
主人公は最強、最強だから敵には全勝。
最強だからモテる、惚れられる。
一見、俺TUEEEEが全ての根源であり、魅力のようだ。
しかし、やはりそれは間違いだ。
薄らと感じ取ってしまう。
これは全て茶番なのではないかと。
物語というのは運命だ。
作者の箱庭である。
だからこそ俺TUEEEEが魅力であってはならない。
♯結論
所謂俺TUEEEEな小説(ラノベ)を見るときは、世界観やストーリー展開を楽しもう。
次点で、登場するキャラクター自体を楽しもう。(主人公以外)
もし、すべてを楽しみたいと思ったなら、深く考えてはいけない。
♯愚痴(真のエンディング)
自分も小説を書きたい気持ちだけあります。
その点で小説家になろうといった投稿サイトは、参考にもなって良いですね。
基本的にファンタジーを中心に読んでます。
が!最近ようやく分かったことがあります。
ジャンル分けは世界観の違いでしかないのだと。
ファンタジー、恋愛、SF、どれも違う話。
しかし、あの場ではどれも世界観の違いでしかないのです。
内容的にはどれも日常と恋愛に尽きる。
たぶん作者の年齢層が若者だからか……
僕の固定観念として、ファンタジー=戦記でした。これがよくなかった。
なぜこんな当たり前なことに気づかなかったのか。
キーワードで検索すればいいものを。
ファンタジーのくせして、内容は日常と恋愛してるなんて……
とか、思ってしまいました。
まぁ、するなとは言いません。
冒険もライトな感じで……
僕はもう死ぬ気でバトルして欲しい。
基本的に主人公がスペックが高いんですよね。
なんとかなってしまう。
転生・転移は特にそこが酷いです。
実際のところ、ファンタジー世界を汚染してますよね。
シリアスな場面も内輪もめでしかない。
ハーレムはさらに酷い。
僕は極論ヒロインはいらないと思ってます。
世界観をみせるには日常回は必要です。
しかし、ヒロインいると日常が長い。
あれ?これ恋愛ジャンルだっけ?と思うこともしばしば。
ヒロインは冒険のパートナーであってほしいんですよ。背中を任せられる人がいいんです。
誰かを守れるほどお前は強いのか?
こんなコンセプトが似合う世界がいいです。
その点で俺TUEEEEは最悪の相性ですね。
まぁ、これも人それぞれの好みの問題なんでしょう。
1主人公に1ヒロイン、厳しい世界なら主人公だけ。ダメでしょうか。
ハーレムとか一体誰得なんでしょう。
自分だけの世界に入りっぱなしじゃないですか。
最強だから周りに持ち上げられて、そのくせ女癖が悪いから尻に敷かれる。
冷静に考えてヤバイ主人公にしか見えない。
一つ考えた説として、これは究極のオ○ニーなんじゃないかと思いました。
転生や転移って現在の自分が上手くいってないから、来世に期待してるっていう。
ある種の夢物語です。
ハーレムは言うまでもなく。
もしかして今の時代、あんまりよくないんですかね?そういう物語がそこそこ流行るって……
ただ分からないことがあります。
男が女の尻に敷かれるって言葉は聞いたことあるんですけど、その逆はあるのでしょうか。
亭主関白とはまた違うような……
究極のオ○ニーといえば、やたらサブカルネタ満載の小説書いてる人いますけど。
あれは読者置いてきぼりでは?
主人公の頭の中で、寒い1人漫才してると、逆にこっちは冷静になります。
1ページの7割、心の中の独り言はヤバイ。
まぁ、作者にも書いてる理由のスタンスの違いはそれぞれあるんでしょうね。
さて、異世界に行きたいと思ったことはありますか?
僕は思ったことありません。
絶対行きたくないです。
まず、風呂が入れなかったら最悪です。
もっと最悪なのが、トイレットペーパーがなかった場合です。
トイレットペーパーが大体300円で買えるってことは、トイレットペーパーがない世界は300円の価値もありません。
全く異世界人はどうやってトイレットペーパーなしで、トイレ行ってるんでしょうか。
もし異世界と地球が繋がった場合、トイレットペーパーを巡って争いが起こりますよ。
一進一退の攻防を続け、彼らは気づくでしょうね。やつらはトイレットペーパーなしじゃ生きられないと。
当然トイレットペーパーを焼き討ちにかかるでしょうね。
最悪異世界人にトイレットペーパーは必要ないのだから。だったら、弱点を攻めてくるはずです。
トイレットペーパー作製の技術は失われ、オーパーツになるわけです。
もしもすべてを焼き尽くされたらね。
そしたら…そしたら…もう終わりです。
なにせトイレットペーパーがないのだから。
♯追記
ハーレムについてボロクソに言ってしまいましたが、一つだけ面白い要素があります。
僕は戦記が好きです。物語のなかで戦争はいくつか種類があります。そのうち、武力衝突と経済戦争と貴族の権威争いは熾烈に表現されます。
古来から権威には女性が絡むこともあるので、そういった意味でハーレムには意味があると思います。
貴族関係というのは縁を繋ぐこと。
ハーレムは複数の強力な貴族家の後ろ盾を得るという役目があるわけですね。
まぁ、見た目はただ女性を囲っているだけにしか見えないし、その可能性もあるので一概には言えません。
なんだかハーレムを擁護していると、後ろめたい気持ちになりますね。
でも、主人公の周りに女性がいっぱいだったら、ハーレム認定されるなんて可哀想ですよね。
案外、主役乗っ取られて悲しんでるかもしれないし。なんだかんだ主人公の意思って無視されがちですよね。
うんうん、ヤツは悲しい存在ですよ。